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◇遺言書の注意点 ― 浜松市遺産相続相談室 ―
遺言書を作る際の注意点として、まず次の2点が挙げられます。
1.法的に有効な遺言書であること(遺言書の内容や法的要件に不備が無いこと)
2.スムーズな手続きができる遺言書であること(トラブルが無く、早く手続きができる遺言書)
遺言書を作る時には、1.法的に有効か否かだけではなく、2.目的をスムーズに達成できるということにも注意をした方が良いでしょう。
せっかく遺言書を作ったとしても、
一部の財産の名義変更ができない遺言書、遺言書だけでは手続きができず遺産分割協議や家庭裁判所の許可などが必要になってしまう遺言書、金融機関などが手続きに難色を示すような内容の遺言書など、作成した意味が無くなってしまう遺言書を見ることがあります。
そういう遺言書にならない為の注意点として、次のものが挙げられます。
1.法的に有効な遺言書になっているか?(遺言書の内容に不備がないこと)
・遺言書を書く人の氏名、日付、捺印があること(きちんと読めるか否か注意が必要)
・遺言書の内容を全て直筆で書かなければならない(自筆証書遺言の場合)
・財産の配分がはっきり書いてあること(他人が見ても分かる内容、表現に注意)
・遺言書が2枚以上になる場合、用紙と用紙の間に契印(割印)を押すこと
・1枚の紙に夫婦連名で書くなど、複数人の遺言を書いてはいけない(共同遺言の禁止)
・立会をする証人の2人が、証人の適格者であること(公正証書遺言の場合)
・農地を相続人以外に遺贈するなど、農地法上の問題がある場合はNG
・不動産の相続をする場合、登記法上の問題があってはならない
2.スムーズな手続きができる遺言書であるためには?(遺言書の内容に不適切な表現がないこと)
遺言書には、書いた方が良いものと、書かない方が良いものがあります。
上記の1.の内容よりも、こちら2.の注意点の方が多く、一筋縄ではいきません。
事情により異なりますが、できる限りの注意が必要です。
そのほんの一例を下記にご紹介いたします。
それぞれの注意点ごと理由を添えてご説明致しますので、遺言書作成の参考にして下さい。
(注意点1)『○○に財産の全てを相続させる』とはなるべく書かない方が良い
・他の相続人の遺留分を侵害しないようにする為
遺言書により特定の相続人を優遇したいときでも、他の相続人から遺留分の
減殺請求をされてしまっては元も子もありません。
遺留分の減殺請求をされそうな場合は、遺言書により、あらかじめその相続人に対して
(遺留分を侵害しない程度に)相続財産を譲る記載をしておいた方が良いでしょう。
・相続財産の内容を詳細に書いた方が、各相続人が安心できる為
相続人にとって、財産の多寡は気になるところです。
遺言書に「○○に全部ゆずる」などと書いてしまうと、相続放棄をするつもり
だった相続人も、自分が想像していたよりも遺産が多いかもしれない、と
思ってしまったり、実は他に自分の欲しい遺産があるのでは?と不安になるかも知れません。
事情によっては、『やっぱり放棄をするのは辞めた!』と考えが変わってしまうかもしれません。
いらぬ誤解をされない様に、遺言書はなるべく詳細に書いた方が良いと思います。
勿論、財産の内容や家庭の事情によってはその逆の場合もあります。
(注意点2)『○○に財産の全てを相続させる』と書いた方が良い場合もある
書くべき遺産が多過ぎる場合、例えば数多くの筆の土地を抱えていると、
それらを全て遺言書に記載する事は大変ですし、内容も分かりにくくなって
しまいます。
また、書くべき遺産が多過ぎて、書き漏れができてしまう怖れもあります。
そんな場合は、限定的に『○○に○○以外の全ての財産を相続させる』という表現を使う事も有効でしょう。
例えば、
『長女と二女に預貯金を1000万円ずつ相続させ、長男に残りの財産の全てを相続させる。』
などの書き方ができると思います。
(注意点3)附言を書くときは、相続人の気持ちを考える事
時々、相続人の神経を逆なでする様な遺言書を見掛けます。
附言により、相続人に対して何かお願いや忠告をする場合は、文言に気を付けましょう。
残されたご家族がいつまでも仲良く暮らせる様に、争いの元となる様な遺言書は残さない方が良いと思います。
遺言書の附言は、遺言者から相続人に向けた最後の言葉です。
誤解を招く様な表現は避けた方が良いでしょう。
これらの遺言書作成の注意点は、実際に遺言書を作成したのに困った・・
ということで、当事務所へご相談に来られた実例でもあります。
遺言書の内容はできるだけシンプルなものが理想ですが、いくつかの注意点を理解したうえで作成しなければ大変なことになってしまうのです。
せっかく作る遺言書ならば、後悔しない遺言書を作成したいものですよね。
遺言書における注意点は他にも数多くありますが、ご家庭によって注意しなければならない点に違いがあります。
気になる事がございましたら、浜松市 遺産相続相談室 までお問い合わせ下さい。
もちろん、浜松市にお住まいでなくても構いません。浜松市以外にお住まいの方も 浜松市 遺産相続相談室までお気軽にどうぞ。
※ 別ページの 『遺言の種類と作り方』 と併せてご確認下さい。
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