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相続税の増税とその内容

平成27年から、相続税の増税、基礎控除額の減額がされました。

平成27年1月1日から相続税法が改正され、相続税の最高税率が50%から55%への増税 と

さらに、相続税基礎控除額の削減等が行われました。

1.相続税の基礎控除額が、従来の6割に減額 されました

法定相続人の人数により変動しますが、今までは5,000万円以下ならばどんな場合でも相続税が掛からなかったものが、平成27年の相続税法の改正後により3,000万円を超える場合に相続税が掛かる可能性があるようになりました。

相続財産の総額が、この減額後の基礎控除額よりも少なければ、依然として相続税は掛かりませんが、実際には相続税の課税世帯が大幅に増えてしまう、事実上、相続税の増税といえます。

 

2.新旧 基礎控除額の計算式

【改正前(平成26年まで)】

法定相続人の人数×1000万円+5,000万円

↓

【改正後】

法定相続人の人数×600万円+3,000万円 (改正前の60%)
となってしまいました。

 

【相続税の基礎控除 計算例】

 

それでは、法定相続人の人数により、どのように金額が変わったのでしょうか?

       改  正  前       改  正  後
法定相続人 基礎控除額
法定相続人 基礎控除額
0人
5000万円
0人
3000万円
1人 6000万円   1人 3600万円
2人 7000万円   → 2人 4200万円
3人 8000万円   3人 4800万円
4人 9000万円   4人 5400万円
5人 1億円   5人 6000万円
・・・     ・・・  

【説明】

例えば、両親2人子供2人の4人家族の場合、父親が亡くなった際の法定相続人の人数は3人ですから、基礎控除額は平成26年12月までは8000万円でしたが、平成27年1月1日以降に亡くなった場合は基礎控除額は4800万円と変わりました。

8000万円の基礎控除が受けられるならば、ほんの一握りの、かなり裕福な家庭しか相続税が掛からなかったと思われますが、現在は基礎控除額が4800万円となりました。4800万円となると、自宅の土地と建物、預貯金、生命保険などを合わせれば、とたんに超える可能性が出てくる数字です。

『相続税が掛かるかもしれない・・』という家庭がかなり増える事になるでしょう。

 

3.相続税の最高税率が55%に増税

 

      改 正 前         改 正 後
課税標準額 税率 控除額   課税標準額 税率 控除額
1000万円以下 10% なし   1000万円以下 10% なし
3000万円以下 15% 50万円   3000万円以下 15% 50万円
5000万円以下 20% 200万円  →  5000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円   1億円以下 30% 700万円
3億円以下 40% 1700万円   2億円以下 40% 1700万円
3億円超 50% 4700万円   3億円以下 45% 2700万円
        6億円以下 50% 4200万円
        6億円超 55% 7200万円

 

ただ、上の表の通り、相続税の最高税率は55%に増税されましたが、影響が出るのは遺産額が2億円を超える場合です。

また、この課税標準額は、1.の基礎控除などを差し引いた残りの財産額ですので、相続税率のUPについては影響の出る家庭は少ないと思われます。

4.未成年者及び障碍者の控除額の引き上げ

相続税の増税についてばかり挙げてきましたが、減税と呼べる措置もあります。

それが、未成年者及び障碍者の控除額の引き上げですが、1年につき6万円のだった控除額が1年につき10万円の控除が受けられます。

 

【未成年控除】
相続人の年齢が20歳未満の場合、20歳になるまでの年数に6万円を掛けた額が相続税から控除されていましたが、その年6万円の控除額が年10万円に上がりました。 
例えば、相続人の中に10歳の未成年者がいた場合、(20-10)×10万円で100万円の相続税が控除されます。これは、基礎控除の様に財産の総額から控除されるのではなく、相続財産に税率を掛けて算出された相続税から直接引けるものなので、効果が大きいといえます。

【障碍者控除】

未成年控除と類似しているものに障碍者控除があります。その障碍を持つ相続人が70歳になるまでの年数に10万円を掛けた金額が相続税から控除されます。
さらに、重度の心身障碍者の場合はその倍額の20万円が控除されます。

そして、未成年控除、障碍者控除ともに控除額がその相続人の相続税額を超える場合は、超えた分をその相続人の扶養義務者の相続税額から差し引くことができます。

【小規模宅地の評価減の特例】

 ≪適用対象面積の拡大≫

被相続人等の居住の用に供されていた宅地や被相続人等の事業の用に供されていた宅地等のうち、一定の面積までの部分については、相続税の課税価格の計算上、一定の割合を減額します。この特例を小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例といいます。
 なお、相続開始前3年以内に贈与により取得した宅地等や相続時精算課税に係る贈与により取得した宅地等については、この特例の適用を受けることはできません。

(1)居住用宅地の特例の限度面積の拡大
被相続人の居住用の宅地の評価減の面積が、現行の240㎡から330㎡に拡大されました。

平成27年からは、330㎡までの土地評価が80%減額されます。

 

つまり、20%の価格で相続税が計算されるという事です。

(2)居住用宅地と事業用宅地の完全併用が認められる
被相続人の事業用宅地と居住用宅地の両方について小規模宅地特例の適用を受ける場合、現行では一定の調整計算の上、両方合わせて400㎡までしか適用が認められませんでしたが、これを改正案では、事業用宅地の限度面積400㎡と居住用宅地の限度面積330㎡を合わせた730㎡まで完全に特例の適用を認めるとされています。

平成27年からは、730㎡までの土地評価額が80%減額されることになりました。
 

5.贈与税率の最高税率も55%に増税

相続税の増税に併せて、贈与税の税率も一部UPされます。

3000万円を超える贈与については、最高税率が50%から55%へ増税されます。

相続税と贈与税は深くかかわっており、この度の相続税法の改正により贈与税の改正も行われますので、併せて確認しておくと良いでしょう。

教育資金控除など、贈与税の特例や改正内容についても随時更新して参ります。

 

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