自筆証書遺言の書き方


◇ 自筆証書遺言とは? 


 

自筆証書遺言とは、本人が全ての内容を直筆で書いて作成する遺言書です。

 

自分で作成・自筆するため費用も掛からず、いつでも作成・訂正できるという長所があります。

ただし、自筆で作成するため誤りがある場合も多く、内容や形式に不備があり、場合によっては無効になってしまう危険があります。

また、家庭裁判所の検認手続きが必要なため、効力が発生するまでにとても時間と手間が掛かるという短所があります。

また、保管・管理をどのようにするかによって、紛失してしまう心配や偽造・変造・隠匿される恐れもありますので注意が必要です。

 

【自筆証書遺言の書き直し】
自筆証書遺言は、いつでも手軽に書き直すことができます。ただし、自筆証書遺言を作り直した場合は、古い日付の遺言書をその度に破って捨てるようにしましょう。人が亡くなった時に、たくさんの遺言書があると遺族や相続人が混乱したり、間違って古い日付の遺言書で遺産相続の手続きをされてしまう心配もあります。

また、火事などの事故や災害により焼失・紛失してしまうことも考えられます。自筆証書遺言は、公正証書遺言とは違い、その原本1通のみしかこの世に存在しませんので、保管・管理の方法が重要になります。

 

 

 

自筆証書遺言のメリットとデメリット 


 

自筆証書遺言のメリット

・いつでも自分で作成・修正ができる

・費用が掛からない

・内容を誰にも知られずに作成できる


自筆証書遺言のデメリット

・自分で書かなければならない

・書き方を間違えると無効になってしまう可能性がある

・保管管理に気をつけなければならない(紛失、隠匿、偽造されるおそれがある)

・死後発見されないことがある

・家庭裁判所にて検認手続が必要(相続発生後)

・公正証書遺言に比べ、法的信用力が弱い

※印のある個所については、令和2年7月10日から始まった法務局への保管サービスなどにより解消されることになりました。ただし、この保管サービス自体も手続きが煩雑で条件がありますので注意が必要です。


自筆証書遺言の場合、本当に被相続人の自筆により遺した遺言なのかどうかを疑われる場合があります。それは、まずお年を召すと誰しも筆跡が変わってきます。さらに、それを遺言内容に不満がある相続人が見れば、より疑わしいと思いたくなるのも仕方ありません。

法廷では筆跡鑑定なども行われますが、分かりやすく特有の目印をつける、配偶者や信頼のおける第三者に保管をお願いする、などの対策をしておく必要があるでしょう。

また、せっかく自筆で作っても記載された文字が不明瞭だったり、法的に遺言書の要件を満たしていなかった場合は、遺言の効力が無効になってしまう可能性があります。

特に、お年を召されている方の場合は、書き直すこと自体が大変な作業となります。

ゆっくり、正確に書くようにしましょう。



◇ 自筆証書遺言の作り方


 

1.全文を直筆で書く

 遺言書の内容の全てを、本人の直筆で書いてください。

代筆やパソコンなどを使用してはいけません。せっかく遺言書を作っても無効となってしまいます。

※相続法の改正により、別紙として添付する財産目録をパソコンなどで作成しても良いことになりましたが、その財産目録の下部に署名するなどの注意事項があります。

 


2.日付を書く
作成した年月日をはっきり直筆で書いて下さい。

年は西暦でも平成等の年号でも構いません。

「○年○月吉日」との記載は無効となる恐れがありますので止めましょう。

 


3.署名・押印をする

文面の最後の行に戸籍通りの姓名を書き、押印をして下さい。

自筆証書遺言の場合も拇印で有効と言われていますが、やはり印鑑を使用して下さい。

認印でも構いませんが、実印を押した方がトラブルを予防できるでしょう。

住所は不要ですが、書いても問題はありません。

書く場合は、正確に間違えないように気を付けてください。

 


4.封印をする

完成した遺言を封筒などに入れて封をし、封印を押します。

この際、使用する印鑑は遺言書に押印した印鑑にして下さい。
法的には、封印は必要無いのですが、偽造防止の為にも行いましょう。)

※自筆証書遺言の封印には、他にも実務上の長所と短所があります。

以上です。





【自筆証書遺言作成の注意事項】

@遺言の一部訂正、削除を行う場合の手順
ア 訂正箇所を二本線で消して、その上に押印(遺言書の押印と同じ印鑑)して下さい。
 そして、付近に正しい文言を記入して下さい。
 この時、訂正前の文言が判別できる様に二本線を引いて下さい。
 塗りつぶしてしまうと遺言自体が無効になる可能性もあります。


イ 訂正、削除した箇所の行の上下(縦書きの場合)、又は左右(横書きの場合)に「本行○字加入○字削除」という様に付記し、本人が署名する。

 

ウ 遺言者以外の者が文章などを書き加えてはいけない

これは当たり前のようにも思いますが、たまに見るケースです。

日付けや脱字などの『ほんの少し』の修正ならばと書き加えてしまうなど、そこからエスカレートする場合もあります。

遺言書の変造等を疑われると、遺言書が無効になるだけでは済みませんので、特に注意をして下さい。

 

以上の様に、自筆証書遺言の修正には手間と注意点があります。
重要な部分を訂正する場合、新しく作り直した方が無難と言えるでしょう。

 


Aひとつの遺言書には一人の遺言しか書けない

たとえ夫婦でも別々の遺言書を作成し、別々に封入します。

 

 


B遺言書が2枚以上になったときには割印をする
偽造防止のために、遺言書で押印した印鑑で割印を押します。

 

 


C文字、内容は具体的に分かり易く

文字が読みにくかったり、あいまいな言葉により内容が特定できない場合、無効になる恐れがあります。

たとえば、「○○に自宅を相続させる」と記入した場合、自宅とはどの不動産なのか特定できず争いになる場合があります。
不動産の場合は登記簿通りの地番や種類を記載し、預金の場合は支店名と口座番号を記載するなど、誰が見ても特定できるようにしましょう。

 

 


D長期間の保管に耐えうるものを残す
用紙の種類や枚数は自由ですが、一般的な便箋や用紙で作りましょう。
油性ボールペンや墨など、消えにくいもので書きましょう。

 



自筆証書遺言を自分だけで作成することが不安な方や、自筆証書遺言を作成したけれど内容のチェックだけはして欲しい、という方は、浜松市 遺産相続相談室 までお気軽にご連絡下さい。

ご自分で自筆証書遺言を作成する際に調査した、財産や相続人の資料などもお持ちいただければ、よりスムーズにお答えできます。

もちろん、浜松市 在住ではない方でも大丈夫です。浜松市 以外にお住まいの方も、浜松市 遺産相続相談室 までお気軽にご相談下さい。