公正証書遺言の作り方


◇ 公正証書遺言とは?



公正証書遺言とは、公証人が遺言を書きたいという人から遺言の内容を聞きとり、作成される遺言書のことです。

遺言書の内容は基本的に自分で考えるのですが、それを公証人という高度な知識と権限を持つ公務員が内容の確認をし、さらに立派な証書として清書をしてくれます。

公正証書遺言の最後には公証人の署名と捺印もなされ、効力も強く、見た目も立派な遺言書が出来上がります。

 

公証人とは、法務大臣から任免を受けた元裁判官や元検察官などで、それぞれの地域の公証役場に勤務しています(現在の浜松市の公証役場には、元裁判官と元検察官のお2人の公証人がいらっしゃいます)。

お住まいの地域の公証役場へ問い合わせて、そこで公証人と打ち合わせをして公正証書遺言を作成することになります。

また、公正証書遺言の作成には、公証人の他に、立会人として2人の証人が必要になります。
(この『証人』には法定相続人はなれない等の要件があり、注意が必要です。)

 

公正証書遺言は、公証人が作成しますので法的にも安心なのですが、そのおおよその内容自体は遺言をする人が自分で考えなければなりません。

公証人の先生はとても忙しい方々ですので、スムーズに行う為の注意や配慮が必要です。

現在、公証役場への相談だけでも完全予約制となっているようです。

(浜松市は2人の公証人で全てをまかなっています。近隣では、磐田市は0人、湖西市や袋井市、掛川市等は1人しかいません。)

 

公正証書遺言について、詳しくはこのページをご覧ください。

 

 

 

◇ 公正証書遺言のメリットとデメリット


 
 
公正証書遺言のメリット 

・公証人が作成をする為、安心して法的に有効な遺言書を作ることができる

・証拠能力や信用力が高い

 (金融機関や役所での名義変更などの手続きもスムーズに行える)

 (訴訟をした際の証拠能力が高いため、相続争い等が起きた時にも安心)

・原本を公証役場で保管するため、紛失だけでなく遺言書の偽造や改ざん、隠匿される心配がない  

 (同じ文面の遺言書を3通作成し、残りの2通は遺言者本人や遺言執行者が保管します。)

・公正証書遺言は、家庭裁判所の検認が要らない
 (通常、検認の準備や手続きだけでも1ヶ月以上掛かかりますので、

  この家庭裁判所の検認が不要というだけで相続手続き全体がスムーズに進みます。)

・自筆証書遺言を法務局へ保管した場合よりも、相続手続きが簡単で早くスムーズに進められる。

・公正証書遺言は見た目が立派

 (見た目が立派なため、相続人同士が納得し、争いを未然に防ぐ効果があります。)

 

※最後に書きました『公正証書遺言の見た目』について

やはり遺言書には見た目や形式というものも大切です。2人の証人が立ち合い、公証人のサインと職印で締められている公正証書遺言は、他の遺言書に比べて相続人の納得度が違います。相続人同士が疑心暗鬼に陥りやすい相続の現場では、この公正証書遺言の姿や形というものは、ただそれだけで頼りになる存在です。 

 

 

 


公正証書遺言のデメリット
・作成する為には、必要書類を持って公証役場へ行かなければならない

・公証人の手数料が必要

・証人2人の立会いが必要な為、証人の選定を間違えると秘密が漏れる恐れがある

 

 


デメリットもありますが、それを遙かに上回るメリットがあります。

公正証書という誰が見ても信用のおける書類は見た目にも重みがあります。

少しのきっかけでトラブルが発生してしまう相続という現場において、公正証書の遺言書というのはとても頼もしいものです。
自筆証書遺言を作成した方も、お気持ちが決まりましたら公正証書遺言に作り直した方が良いでしょう。

 

 

 



◇ 公正証書遺言の作り方



1.遺言の内容を作成する
公正証書遺言とは言っても、遺言者本人の遺言ですから、その内容は自分で考えなくてはいけません。
箇条書きでも構いませんので、内容を分かり易くまとめておくと良いでしょう。
 

2.証人の2人を決める
成年者である証人を2人選びます。友人や会社の上司、同僚でも結構です。
ただし、未成年者、推定相続人と受遺者並びにこれらの配偶者と直系血族、被後見人、被保佐人、公証人の配偶者、公証人の4親等内の親族、公証人役場の職員などは証人になれません(民法974条)。

 

3.公証人に作りたい遺言の内容を伝え、必要書類などの確認をする
最寄りの公証役場へ行き、1.で用意した遺言の内容を公証人に説明する。
遺言に添付する必要書類を聞き、その後の日程の確認をする。

公証人はとても忙しいので、事前の予約をしておきましょう。

この3.については代理人が行うことが出来ます
 

4.必要書類を用意する
3.で公証人に聞いた必要書類を用意する。
公正証書遺言に必要なものとしては、遺言者本人の印鑑証明書、実印、戸籍謄本、証人の住民票、相続財産の特定のための書類(不動産の登記簿謄本と固定資産評価証明書、預金通帳など)、親族以外に遺贈する場合は受遺者の住民票などです。
公証人役場の手数料は、遺産の額によって変動します。
遺産額の説明も出来る様にしておきましょう。

 

5.公証人役場に必要書類を届け、最終の日時の予約をする
公証人役場に必要書類を届けます。
遺言書の完成(遺言者・証人が署名捺印をする日)の日時の予約をします。
遺言書の内容変更などもできます。
 

6.遺言者、証人が署名、押印する
事前に予約をした日時に、遺言者本人と2人の証人の合計3人が公証役場へ行く。
公証人が遺言書を読み上げ、内容に間違いが無ければ、遺言者、証人が署名、押印する。
最後に公証人が証明と記名、押印をして完成。

※遺言者が病気やケガをしていて公証人役場まで行けない場合は、公証人に出張を依頼すれば自宅や病院などへ来てくれます。
(ただし、公証人への手数料は割増になります。往復の交通費も別途掛かります。)

 


【公正証書遺言について補足事項】
・上記の3・4・5は同時に行う事ができます。
スムーズに行けば1週間〜10日ほどで作成できるでしょう。

・公証役場へ相談する場合は、要点を紙にまとめておきましょう。

公証人はとても忙しい為、相談する場合にはある程度の配慮が必要です。

何より自分の考えを上手く伝えられず、自分の思いと違った内容の遺言ができてしまう場合があります。

それを防ぐためにも、希望する遺言の内容や質問事項は予め紙にまとめて持参するとスムーズに進みます。

 

・全国どこの公証役場でも、公正証書遺言を作成することができます。

全国のどこの公証役場でも作成できますが、出張での作成をお願いする場合にはそれぞれ職域があります。

それぞれの公証役場へ直接趣く場合にはどこの公証役場へ行っても作成することができますが、出張での遺言作成を希望する場合にはその公証役場の職域圏内でなければ出張することができません。

例えば、浜松市在住の方が東京の公証役場へ直接趣いて公正証書遺言を作成することは可能です。しかし、本人が公証役場へ足を運ぶことができない場合、浜松市内の病院や自宅などに出張してもらうには浜松市の公証役場の公証人にお願いをするしかありません。

 

・証人の選定には注意しましょう。

公正証書遺言でもこの証人の選定などが原因で無効になった判例がありますし、デメリットの欄にも書きましたが、身近な人を証人にした為に秘密が漏れるというケースもあります。

適当な証人が見つからない場合は、証人の紹介をしてくれる公証役場もありますので、最寄りの公証役場へ相談してみて下さい。(浜松市の公証役場でも証人の紹介をしてくれます。)

 

 


浜松市 遺産相続相談室 では、公正証書遺言作成の為の手続き代行から、公正証書遺言の証人のみのご依頼など、お客様のご要望に幅広く対応させていただいております。

もちろん、浜松市 以外 のお客様でも公正証書遺言の作成のお手伝いをさせて頂いております。

 浜松市 遺産相続相談室 までお気軽にご相談下さい。